SIM-Driveの新しいモーターのメリット!
インホイールモーターをその基幹技術として持つSIM-Driveの第4号試作車「SIM-HAL」に、新しいモーター「SS」が搭載されたことは前回のエントリーでもお話ししましたが、もう少しその詳細をお伝えしたいと思います。そのモーター開発では、従来モーターの持つ大トルク&高効率の性能を維持しつつ、超軽量でコンパクトであること、そして究極のスムーズ化で「トルクウェイトレシオ世界ナンバー1モーター」が目標に掲げられました。
モーター(電磁構成部)の重量当たりの最大トルクで、第1号試作車のSIM-LEI(2011年)に比べ60%の性能アップというのです。SIM-LEIで約21.9Nm/kgでした。基本的にこのモーターの進化モデルとなるSIM-CEL(2013年)で約26.6Nm/kgまでアップしていました。これをさらに35.0Nm/㎏まで上げていくという目標です。
もちろん、出力だけではなく、他の要件も様々あります。航続距離を伸ばすための低電費化やスムーズな走行。さらには、これまで専用のホイールに専用の足まわりを開発せざるを得なかったモーター由来の問題をクリアし、市販ホイールやコンベンショナルなサスペンションへ対応できるようにする、といった要件もあります。
これまでのモーター厚は、ほぼリム幅いっぱいになっており、ブレーキの置き場やアーム類の取り付けなどで苦労するわけですが、新しいモーターの場合、モーターのサイズがリム幅の半分くらいしかないので、ブレーキディスクローターをリム内に置くことができたり、ロアピボットをホイールセンター側に移動も可能ということです。
結果モーターの電磁構成部重量は18.961㎏と、SIM-CELの33㎏から大幅に軽量化(モーター本体重量でもSIM-CEL の51.1㎏から33㎏へと大きく低減)を進めることができました。最大トルクですが、鉄心側の磁気飽和などがあって目標の650Nmには届かなかったということです。
電費も、JC08モード計算でSIM-CELに対して4.4%(航続距離に換算すると18㎞)向上し、実用的な諸元を持つモーターが開発できたということです。これを核に、更なるパワーユニット開発を進めるとしています。(XaCARレポーター・青山義明)
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