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2015年2月26日 (木)

FCV、日産の余裕

「どうもスタンスがわからない」

 というのが最近の日産自動車の燃料電池自動車(FCV)に対しての状況。というのも、ことあるごとにEVの優位性を訴え、否定はしないもののFCVに対してのコメントは「その開発を急がず、まずはEVを主力商品として取り組む」というものばかりだ。

Nissanfcv
 しかし、一方で、2月12日にトヨタ、日産、ホンダの3社で、FCV用の水素ステーションの整備促進に向けた支援策を検討し、共同で取り組むことに合意したと発表している。FCV(の市販車)は作らないのに水素ステーションの整備には積極的。

 実に矛盾した内容のように見えてならない。

 日産は1996年にFCVの技術開発に本格的に着手。2005年にはX-TRAIL FCVを登場させ、その後も同型の車両ながらFCスタックや高圧タンクを搭載した進化モデルを登場させるなど開発を進めており、2011年の共同宣言では、トヨタ(予定より前倒し)やホンダとともに2015年には市販FCVを市場に投入する、ということを発表していた。

Xtrailfcv
 しかし、2013年1月末に、日産&ルノー・アライアンスとダイムラー&フォードによるFC共同開発という新たな取り組みをスタートさせ、FCV市販スケジュールは現在のところ明確には示されていない。

 その状況に、ある関係者から「(FCVを急いで出さないのは)米国のZEV規制に引っ掛からないからですよ」というヒントをもらった。ZEV法とは、自動車メーカーに販売台数の一定割合を排ガスゼロ車(ゼロ・エミッション・ヴィークル=ZEV)とするように義務付けるもの。車両を大量に販売するためには、ZEVも同様に一定割合以上販売しなければならない。ZEVの割合が低ければ、その排出権を他メーカーから購入という形を取らなければならないのだ。実際、ピュアEVしか製造していないテスラモーターズはこのZEVクレジットの排出権販売でかなりの収入を得ているという。

 そこで日産に話を戻すと、実のところ米国でのリーフ販売はそれなりに好調でZEVクレジットを販売できるほどの台数を出荷している。ZEV法は2017年以降義務水準が引き上げられ、ハイブリッド車ではクリアできなくなる。そのため、ピュアEVを持たないトヨタやホンダはFCVでその巻き返しを図らなければならず、FCVの市販を急いでいる。

 一方の日産はとりあえずリーフがある。それを考えれば、当面はEVの販売などにリソースを割き、FCVについては価格やインフラの整備具合を探りながら投入タイミングを見計らっている、ということは容易に想像できる。

 日産とFCVの共同開発をしているダイムラーからは、日本国内(!)でのFCVの販売が近いとう発言があった。ダイムラーがFCVを導入するのは、そういった環境適合とかとは別の、世界で初めて自動車を作ったメーカーとしての意地で、早期の販売を急いでいるのでは? という見方がある。

 いずれにせよ日産、フォードと同じFCユニットを使用するはずで、ダイムラーが市販するタイミングで、すでに共同開発する各社も市販FCVができる技術レベルに至っていると推測できるだろう。

 日産が開発しているFCVがどのような車両になるのか、という点は現在全くアナウンスされていない。どういったFCVを、どのタイミングで出してくるのか? 先行する2社にどういったアドバンテージを見せるのか、トヨタ・ホンダの2社のFCVが出た後の日産の動きに注目したいところだ。  (XaCARレポーター・青山義明)

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