パイクス&EVレース

2018年10月10日 (水)

EVレース、今シーズンも終盤へ

 10月7日(日)、茨城県・筑波サーキットのコース2000では、昨日お伝えしたCQ EVミニカート筑波レース秋大会と、全日本筑波EV60kmレース大会(JEVRAシリーズ第5戦)が開催となりました。

Evstart

 2018年全6戦中の第5戦目を迎えた電気自動車のみで争われるJEVRAシリーズは、今季の最終盤となり、ポイント争いも熾烈となっています。総合のポイントランキングではトップは金井亮忠選手(#72 チームNATS日本自動車大学校・ミライ)の41ポイント。それに続くのが、テスラ モデルSを駆る地頭所光選手と中野信治選手(#2 タイサンUTAC TESLA Sをこの2名でシェア)が40ポイントで並んでいます。しかし、最終戦を金井選手は欠場予定ということで、地頭所選手がここできっちりポイントを稼いで総合タイトルに王手をかけたいところ。また、各クラスのポイントランキングでも、クラスによってはここでシリーズタイトルが決まるものもあり、最後の熾烈な争いになっています。

 この日、元台風25号がもたらした暖かい空気と山越えのフェーン現象の影響で、10月にもかかわらず、関東一帯は真夏日を記録するほどの暑さ。もちろん、筑波サーキットも例にもれず予選がスタートする午前10時半にはすでに気温30度越えとなっていました。

 この予選では、今回新たにタイサンのフロントラジエターウォッシャー導入も、そのタンクの固定が甘く、走行中に車内を水浸しにしてしまって、思うようにアタックができなかったというテスラモデルSの地頭所選手がトップタイムをマーク。今シーズン、マシンのトラブルに見舞われなかなか成績の残せていない金沢秀好選手(#39 ウェルマー☆ビルズ☆FT86EV)も計器表示のトラブルがあり、モデルSとコンマ5秒差の2番手に入っていました。

Topbattle

 全16台で行われる決勝レースでは、そのポールシッターの地頭所選手と金沢選手のトップ争いが終始繰り広げられる展開となりました。まず地頭所選手が先行、その後トップが4度入れ替わる攻防を見せます。両車ともに車両制御が入るギリギリのところでの走行を重ね、しかし最後は金沢選手の86EVがペースダウンを余儀なくされ、地頭所選手が今季3勝目を挙げました。

Teslas_2
 この2台に続く3位には、今回、ボンネットにエアアウトレットを設け、さらにフロントグリル部にワイヤメッシュに変更するなど、さまざまな変更を加えてきた国沢光宏選手のミライ(#1 トヨタ・ミライ)が入りました。
Kunisawa
 国沢ミライはスタック周辺のトラブルがあったようで予選では振るわなかった(14番手)ものの、きっちりと決勝はまとめてきた、というところでしょうか? 今回はトヨタの開発スタッフも多く応援に駆け付けており面目躍如?
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 EV-3クラスの日産リーフの争いは、途中他車を巻き込みながらも終始3台のバトルが繰り広げられました。レース終盤には、初期型セグ欠けの田中耕介選手が電欠で脱落。最後まで粘っていた高橋勝之選手を2秒強引き離してレーサー鹿島選手(#88 東洋電産 LEAF)がクラストップの総合9位でフィニッシュとなりました。
Ev3leaf
 EV-Rクラスは折戸 聡選手(#35 RWORKS NOTE NISMO)が優勝。しかしこの気温もあってか、16台参戦中、3台(すべてEV-Rクラスの車両!)がタイヤトラブルでレースを走り切ることができず、でした。

 レース距離50kmで争われる最終戦は、11月4日(日)にツインリンクもてぎで開催となります。
(XaCARレポーター・青山義明)

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2018年7月 5日 (木)

フォルクスワーゲンのアメリカでの次なる目標?

 フォルクスワーゲンが歴代記録を塗り替える偉業をなした第96回パイクスピーク・インターナショナル・ヒルクライム(6月24日決勝)ですが、すでにフォルクスワーゲンは、アメリカでの次の挑戦を発表しています。

 そのパイクスピークでのファンフェスタ(6月22日コロラドスプリングスで開催)の会場で、その次なる挑戦の車両が登場していました。

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 それがこのJETTA(ジェッタ)です。ジェッタは現在日本国内では販売していないのですが、北米などを中心に販売しているCセグメントの車両で、7代目が今年の1月に開催されたデトロイトモーターショーでデビューしています。

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 そのジェッタを使用して、挑戦するのがボンネビル・ソルトフラッツ。この会場に展示されたのが「ボンネビル・ジェッタ」です。レギュレーションに定められたホイールとタイヤ、そしてリアには減速用のパラシュートが装着されています。

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 ジェッタが参戦するのは、そのボンネビルのBGC/Gクラス。その最速記録は208.472マイル/h。Cd値(空気抵抗係数)0.27というジェッタの空力特性の良さを活かして、これを打ち破りたいとしています。その挑戦が行われる今年のボンネビル・スピード・ウィークは、8月11日から17日にかけて開催予定です。

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2018年7月 4日 (水)

クスコが走っているようで走っていない

 パイクスピーク・インターナショナル・ヒルクライムには数多くの日本車が参戦しています、といいたいところですが、最近は一気に減ってきた感じがあります。
 数年前には、スバル・インプレッサWRX、そして三菱ランエボ、そしてトヨタ86&サイオンFRS&スバルBRZ、といった感じで、いわゆるジャパニーズ・スポーティカーは、結構な台数が見られたものです。
Lancer
 しかし、最近は? というと、ランエボ&インプレッサなどは、以前は簡単にタイムが狙えるクルマとして重宝されていたのに、ガクッと減っています。リザルトを見ても日本車がレコードを持っているクラスが極端に減ってきています。特にタイムアタッククラスなど市販車クラスでは、レコードの書き換えが頻繁に起こっており、旧モデルでは太刀打ちできない、というところまで来ているようです。
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 それでも今回も3台のインプレッサ、そしてエボXが1台参戦しています。そのうちの一台、この#151の2000年式WRX Stiを持ち込んだビクター・クーン選手。この車両は2003年のGr.Nのラリー仕様車。
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 2010年にパイクスピークに参戦した際は、2回転してコースアウト(当時はコ・ドライバーも搭乗していたが2人とも無事。今回もサルのぬいぐるみがコ・ドライバーとして搭乗しています?)しクルマは大破。それをコツコツと再生し、2016年にはクラス3位を獲得しているということです。
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 気になるのは、そのカラーリング。往時のクスコカラーのようで、クスコのパーツをしこたまつけていると思いきや、一切ナシ。車体にもひとつもCUSCO/キャロッセの文字はない。
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 聞いてみると、このカラーリングが大好きなのだそう。クスコのパーツはいつかは入れたい、とも。
 そんなクーン選手。今回のアタックは天候が急変する一番最後のタイミングで頂上まで上がってきました。濃霧と降雪と、で散々だったようでタイムは15分20秒359でした。次回はクスコのパーツを一つでも装着してさらにチャレンジをしていただきたいですね。
(XaCARレポーター・青山義明)

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2018年7月 3日 (火)

パイクスピーク、今回新たなクラスが創設される

 スーパークロスやフリースタイルモトクロスで活躍し、現在はスバルのラリー・ドライバーとしておなじみのアメリカ人ドライバー、トラビス・パストラーナ選手。

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 彼も、このパイクスピーク・インターナショナル・ヒルクライムへの参戦経験のある選手です。これまでの参戦は2004年、2005年にスバルのラリーカーで走っています。当時はまだダート路面が残っており、ラリーカーには、コ・ドライバーの乗車が認められており(コ・ドライバーの乗車が可能だったのは2011年まで)、コースを覚える必要はなかった、と笑いながら話してくれました。

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 今回は、ポルシェ・ケイマンGT4クラブスポーツを使用した新しいクラス「Porsche Cayman GT4 Clubsport by Yokohama」が立ち上がり、8台がこのクラスに参戦。ここにパストラーナ選手(199号車)も参戦です。ほかには、インディカードライバーのJRヒルデブランド(66号車)やNASCARトラックシリーズや様々なカテゴリーに参戦し、WECの富士戦で日本にやってきたこともあるマイク・スキーン選手(21号車)などもこのクラスに参戦しました。

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 「まず、また戻ってこれてうれしい。残念ながらダートはなくなっていたけれど、ね。今日の走りは、もっと行けるところはあったが、マシンに問題はなかったし、きちんと結果を残せてハッピーだよ」とパストラーナ選手は語ってくれました。

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 ちなみに、この新設のクラス。そのタイトルにあるように同じワンメイク車両で、タイヤも横浜ゴムが提供したワンメイクとなります。初代クラス優勝(総合25位)は、トラビス・パストラーナ選手、10分33秒897でした。

(XaCARレポーター・青山義明)

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2018年7月 2日 (月)

パイクスピーク、ディーゼルでの記録更新ならず

 オーストリア・ウィーン出身の元WRCドライバーのマンフレッド・ストール選手がパイクスピーク・インターナショナル・ヒルクライムに初挑戦しました。1993年サファリラリーでデビュー。マネージャーを経て1998年から本格的にWRCにデビュー。6年間三菱ランエボに乗っており、2000年にはランエボVIでグループNドライバーズチャンピオンを獲得しているドライバーです。

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 今回、パイクスピークに初参戦するにあたって、持ち込まれたのが、ビートルです。ストールと同い年の、1972年式のフォルクスワーゲンBug 2.0 TDI CR Boxeerというマシンで、250馬力を発揮する2Lディーゼルエンジンを積んでおり、車両重量は1トンを切る超軽量マシンです。

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 どうして出場することとなったのか? と聞いたところ、この車両を作っているチームからオファーが来たから、ということでした。今回このマシンが搭載しているのがディーゼルエンジンということで、ディーゼルエンジンのレコードである11分37秒149を破るという目標を持っての参戦なのだそうです。
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 で、このディーゼルエンジン記録なのですが、三菱ラリーアートからWRCなどに出場し活躍したドイツ人ドライバーのウーべ・ニッテル選手が2015年に、メルセデスベンツC300d 4MATICで記録したものなのです。三菱のラリードライバーが、ディーゼルエンジンの記録を狙う、のです。それもニッテル選手(1969年5月生まれ)の挑戦が46歳1か月。今回のストール選手(1972年7月生まれ)は46歳の誕生日まであと2週間、というほぼ同じ歳での挑戦。なんとも不思議な縁ですね。

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 しかし、ストール選手のバグ、予選日に出走できなかったことから、出走の順番は、4輪部門55台中53番手という、ほぼ最後の最後。天候が良ければ、記録更新も狙えたのでしょうが、天候の急変によって、コースは短縮となってしまい参考データのみ。記録の更新はお預けとなってしまいました。
 ストール選手には、ぜひとももう一回は参戦してもらってディーゼル・レコーダー、狙ってほしいものです。

(XaCARレポーター・青山義明)

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2018年6月29日 (金)

パイクスピーク初挑戦にして総合2位と4位を獲得!

 以前、ここでパイクスピーク参戦車両の中から、予選から注目していた2台を紹介しました。それがファッジオーリ・レーシングの2名のドライバーです。#11 シモーネ・ファッジオーリ選手(40歳)は、このチームオーナーです。そしてもう一人のドライバーはスイス出身の#13 ファビエン・ボーダーバン(45歳)という2人です。

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このチームは、ヒルクライムシリーズに現在は5台体制で参戦を続けていて、これまでに10回ヨーロッパのヒルクライム・チャンピオンに輝いています。そんな経歴を持っていて、ヨーロピアンタイトルの次に何をやろうということでターゲットとして定めたのが、このパイクスピークなのだということです。パイクスピークへは昨年視察に来て、参戦を決意。一年をかけてマシンを作ってきた。ヨーロッパのヒルクライムシリーズにはない高山でのレースということで、ずいぶん勝手が違うようです。

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 両名ともにパイクスピークは初めてというルーキーです。ボーダーバン選手は、自身が小さいころからアウディの活躍を見て育った、世界でよく知られている有名なレースだったので、このチームに入ったときからパイクスへの挑戦をしようとチームに提言していたようです。実際にパイクスピークのコースを走ってみると、3つのヒルクライムレースを走っているようだといいます。ボトムのテクニカルコース、ミドルのストップアンドゴーのコース、そしてトップのハイスピードコース、とその性格がすべて合わさったのがパイクスピークだというのです。

もちろんチームは「勝ち」に来ていて、シャシーとカラーリング以外はすべてパイクス仕様に変更してきたということです。車両は昨年まで、ロメイン・デュマ選手が使用していたのと同じNorma M20という車体(これは欧州シリーズ参戦と変わらず)。欧州シリーズでは、NAエンジン(ザイテックのV8-Lエンジンを使用)ですが、今回は、日産の3.7L V6ツインターボ・エンジンをベースにチューンをして700馬力を後輪で発揮します。車重は680kgという超軽量マシンです。 

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 今シーズンレースウィーク前に開催となった2回のタイヤテストにも参加しています。レースウィークに入り、練習走行では少々エンジントラブルがあったものの、予選から好タイムを出しています。「すべてがうまくいけば、ローブのタイムも抜けるはず」と言っていましたが、実際に決勝レースでは、ファッジオーリ選手が837230の歴代3位となるタイムでゴール。ボーダーバン選手も9282549ミニッツクラブ入りを果たしました。

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ファッジオーリ選手は「タイヤはよかったのに、セットアップが決まらず、そのため十分な性能を出し切れなかった。パイクスピークはとてもハードでエキサイティング。そして素晴らしい世界で一番情熱的なレースだ。来年もっとちゃんとした体制で戻ってこれるように準備を進めたい」とコメント。

来年の挑戦でどこまで記録が伸ばせるか、楽しみに待ちたいと思います。

XaCARレポーター・青山義明)

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2018年6月28日 (木)

記録更新が相次いだパイクスピーク

 96回目の開催となった今年のパイクスピーク・インターナショナル・ヒルクライム。総合優勝を果たしたフォルクスワーゲンのI.D.Rパイクスピークばかりが話題になりますが、実はその他にも各種記録が更新されています。
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 リース・ミレン選手を起用して初めて参戦をするベントレー・ベンテイガは、ロールケージを組んでいますが、それ以外は市販車+オプション設定のカーボンブレーキとカーボンエアロキットを装着し誰でも同じ仕様の車両が購入できるという仕様で、レンジローバー・スポーツでのSUV最速記録(ポール・ダレンバック/12分35秒61/2013年)を上まわることができるか、という挑戦です。
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 すでに練習走行の時点で11分3秒あたりになるだろうというシミュレーションできています。でもミレン選手自身は10分台が狙えるといっていました。そして10分49秒902というパイクスピークエキシビションクラス2位、総合33位のタイムで、見事にSUVクラスのレコードを更新しました。

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 また、毎年ホンダR&Dのスタッフを中心に参戦を続けているホンダ社内チームは、アキュラNSX(ジェームス・ロビンソン選手)とアキュラTLX Aスペック(ニック・ロビンソン選手)、そして登場したばかりのアキュラRDX(ジョーダン・ギター選手)で参戦をしました。

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 このうちの2台、NSXは、10分02秒448というタイムで、タイムアタック1クラス4位(総合14位)で、ジェームス選手が昨年出した10分03秒433というハイブリッド車最速の記録を更新することとなりました。またTLXはパイクスピークオープンクラス7位(総合32位)に入る10分48秒094を出しました。こちらも駆動別リザルトのフロントホイールドライブ記録10分56秒878(2016年/Robb Holland/アウディTTRS)を上回り記録更新となりました。

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 また、社内チームとは別に、ピレリワールドチャレンジに出場しているアキュラTLX GTを持ち込んでいるピーター・カニンガム選手(昨年パイクスピークオープンクラスで9分33秒797のレコードタイムを持つ)が引き続き参戦しました。カニンガム選手はタイム更新をして、自身の記録を書き換えました。

 これでアキュラは3つのコースレコードを塗り替えることとなりました。

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 また、タイムアタック1クラスのコースレコード(2013年/ポール・ダレンバック/ヒュンダイ・ジェネシスクーペ/9分46秒001)は、デビッド・ドナヒュー選手が9分37秒152(2017年式ポルシェGT3R)に塗り替えました。

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 2輪部門でもパイクスピーク・ミドルウェイト・クラスで、クリス・フィルモア選手が10分04秒038(2018年式KTM 790デューク)のタイムで、昨年のコディ・ヴァショルツ選手の10分34秒967(2016年式ハスクバーナ・スーパーモト)を更新することとなりました。

 残念ながらすべてロメイン・デュマ選手にもっていかれて、ちょっと影が薄いですが、タイム短縮ラッシュな大会だったんですね。
(XaCARレポーター・青山義明)

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2018年6月26日 (火)

パイクスピーク、すばらしい記録が出ました!

 現地時間624日(日)、96回目となるパイクスピーク・インターナショナル・ヒルクライム(通称:パイクスピーク)が開催されました。当日の現地の天候は晴れのちヒョウという、これまでもあった大きな天候の崩れもあり、レース自体は全体の5/6を経過したところで一時中断。天候の回復を待ちましたが、すぐに持ち直すことがなかったため、残り1/6の参戦者は、短縮したコースでのヒルクライムを競うこととなりました。

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 これまでパイクスピークでは、『10分の壁』と1980年代から幾年にもわたって言われ続けてきました。パイクスピークの10分切りという難しさを象徴する言葉で、それを最初に超えたのが、モンスター田嶋こと田嶋伸博選手が塗り替えた2011年のことです。

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 その後、競技区間の全コースが舗装化されると、この大記録がいとも簡単に覆されていきます。特に印象に残っているのが、2013年のセバスチャン・ローブ選手(プジョー・208 T16パイクスピーク)による813878というタイムです。当時は9分台の争いがようやく勃発してきていたのですが、そこへぶらりとやってきて、とてつもないタイムをたたき出しました。

 これにはさすがにまわりも微妙な空気、でした。もう、誰もこのタイムを抜けないのではないか、と。翌年のパイクスピークでは誰もトップタイムのことを言わないという…。

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 しかし、その後、9分台の争いもさらに過熱し、9分切りの車両も出てきていました。しかし、ローブの記録から3年、再びレコードブレイカーの1台がやってきたのです。それがフォルクスワーゲンのI.D.Rパイクスピークです。ステアリングを握るのは、これまでパイクスピークで3回優勝を果たしているロメイン・デュマ選手です。

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 今年のパイクスピークも2013年の時と同じ雰囲気です。多くのメディアが詰めかけ、デュマ選手だけを追いかけます。決勝レースでも同様で、ドイツへの生放送のため出走時間が遅れたという噂もあったり、まさにデュマ選手のための1日、のようでした。

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 そして叩き出されたタイムが、なんと7分57秒148。これまでのレコードから16秒以上も短縮されました。EVがオールオーバーで記録を更新したのは初めてです。現在ホテルの一室でこの記事を作成していますが、ローカル局では朝からこのニュースが繰り返し放送されています。街中が大いに盛り上がったのは間違いありません。

 ただ、来年フォルクスワーゲンの出走はあるのでしょうか? 突然8分切りを争う車両が多数参戦するとも考えられません。エントラントの雰囲気はどうなるのでしょうか? 祭りの後の侘しさのようなものが漂うイベントにならないことを祈ります。

(XaCARレポーター・青山義明)

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2018年6月24日 (日)

あそこに見えるは、ジャッキー・イクスの娘さん

ベルギー人F1ドライバーで、ル・マン24hやパリ・ダカでも活躍したジャッキー・イクスさんの娘であるバニーナ・イクス選手が、今回パイクスピーク・インターナショナル・ヒルクライムに初挑戦します。

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 バニーナ選手の乗る車両は、No.125 2017年式 Gillet Vertigo。ジレットはベルギーの新興スポーツカーメーカー。今回、ジレット社が創業の際に0→100km/h加速3.2秒をという記録を作ってから25周年を記念して、このパイクスピーク・インターナショナル・ヒルクライムに参戦を計画したのだそうです。

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 このジレット社のヴェルティゴは市販開始からすでに10年、ブランパンGTのGT1にも参戦している車両です。今回はそのヴェルティゴをパイクスピーク用にチューン。カーボンモノコックに、生分解性のファイバーを駆使したボディ&シャシーで、車両重量は900kg。エンジンはフォルクスワーゲンの直列4気筒2Lエンジンで、最高出力は380馬力となります。

 このマシンのステアリングを握るのが、あの有名なジャッキー・イクスさんの娘のバニーナ選手。このジレットのチームドライバーとして2003年から所属していたものの、2011年にドライバーとしては引退をしていました。しかし、この25周年という記念参戦ということで再びステアリングを握ることとなったようです。
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 本人も「まさか、ここで走るとは思わなかったわ。すでにリタイアしていたんだし。でも去年オファーをいただいて、すぐに山頂まで行く気になって、即答しました。私にとっては贈り物のような挑戦です」とコメントしてくれました。
 実際に走ってみて、どうだったの? という質問にも「これまでシミュレーターで何度もミスをして事故をしました。でも、実際の走行でミスはできません。少し怖いです。でも、この挑戦は、とても素晴らしいみんなの夢ですから、しっかり山頂のゴールまで走り切りたい。タイムは11分を切れればいいかな、と思っています」ということです。
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 このマシンにはIOT会社のデラウェアがスポンサードをしています。IOTの「クラウド」とパイクスピークの別名「レース・トゥ・ザ・クラウド」をかけて、この挑戦にサポートしているということです。このデラウェアのサイトに行けば、この125号車の走行データや、走行中の彼女の心拍数などデータがリアルタイムで見ることができるそうですよ。

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2018年6月23日 (土)

練習走行はすべて終了。ファンフェスタが大盛り上がり!

 パイクスピーク・インターナショナル・ヒルクライム(アメリカ・コロラド州/6月24日決勝)の練習走行および予選セッションは22日(金)にすべて終了しました。この練習走行最終日は、パイクスピークの麓の街、コロラドスプリングスのダウンタウンで恒例のファンフェスタが開催されます。

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 ファンフェスタは、このパイクスピークに挑むマシンと、ドライバー&ライダーが、コロラドスプリングスの街に集まって、地元を中心としたファンと交流を持つ機会です。コロラドスプリングスの市民にとっての夏祭り、です。街のメインストリートは、歩行者天国となり、参戦車両が置かれ、選手のサイン会やチームのノベルティグッズの配布もあります。

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 また、出走車両だけでなく、さまざまな車両がみられるのもこのイベントのお楽しみ。東洋ゴム工業のブースでは、パイクスにちなみ、ケン・ブロックのその1400馬力の1965年式フォード マスタングが展示されています。パイクスピークを攻める動画「クライムカーナ」がネットで話題になったのでご覧になった方も多いと思います。パイクスピークが舞台なだけに、多くの来場者がカメラを向けていました。

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 また、今回話題のフォルクスワーゲンの電気自動車「I.D.Rパイクスピーク」の横には、フォルクスワーゲンが世界の各ショーで出展している電気自動車のコンセプト「I.D. BUZZ」が登場しました。

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 さて、この日、出走リストが出ました。結局今回決勝を走るのは77台とだいぶ少なくなりました(エントリーでは84台でしたから)。で、気になる日本勢の出走順ですが、2輪では14番手スタートとなった井上哲悟選手。4輪では、小林昭雄選手が44番手。奴田原文雄選手が47番手というオーダーとなりました。

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 翌日の土曜日は休息日(セットアップデー)。走行は一切ないので、各チームスタッフは1週間の疲れを癒す大事な1日ですね。まぁ、翌決勝日の準備で、各チームはマシンをスタート地点まで持って行ってと、それなりに忙しく動き回ることとなりますが、それが終われば、あとはレースを待つのみ、ということになります。

(XaCARレポーター・青山義明)

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